はじめて棚卸をする方に向けて、書く項目と手順だけを並べました。当社が85の業種でこの表を作ってきた中で、実際に手が止まった所も書いています。読むだけで進められます。登録は要りません。
業務棚卸とは、いま社内で誰が何をどれだけやっているかを、1件ずつ書き出して一覧にすることです。棚卸という言葉は在庫の数を数えるほうで馴染みがありますが、こちらは物ではなく仕事そのものを数えます。
数えるだけでは意味がありません。業務効率化は、棚卸で『どこに時間が溜まっているか』が見えてから始まります。棚卸のあとに来るのは「この仕事は無くせるか」「減らせるか」「誰か(何か)に任せられるか」の3つの問いです。この3つを決めるために足りるだけの項目を書く。逆に言えば、決めるのに使わない項目は書かなくてよい、ということです。
だから、はじめから完璧な分類表を作ろうとしないでください。分類は、書き出したあとで付きます。
空の表を前にして手が止まるのは、たいてい「何の列を作るか」で迷うからです。次の6つで足ります。
月あたりの時間は「頻度 × 1回あたりの時間」で出るので、列にしません。列を増やすほど埋まらなくなります。
逆に、5つに削ると「使う道具・書類」が落ちがちです。これが落ちると、任せられるかどうかが判断できない表になります。
ここまでで棚卸は終わりです。表を作ることが目的ではないので、3つの箱に入った時点で次へ進みます。
ここが、空欄のフォーマットを配っても埋まらない理由です。
当社は「AI業務棚卸」という無料の画面を出しています。85の業種ごとに仕事の工程を並べ、どの作業を機械に任せたいかを選んでいただく画面です。そこで実際に選ばれた作業をのべ470回ぶん数えました(期間 2026-07-20〜2026-08-24、記録のあった日は23日、検査用の8行は除外)。
結果は2つに割れました。上位3つは、名前こそ違うがどれも「2つ以上の書類を見比べて、食い違いを見つける」作業でした。ところが、選ばれた作業そのものは133種類に散りました。
つまり、手間が集まる場所は業種をまたいで似ているのに、具体の作業名は業種ごとに違うということです。だから「業務名」の欄は、白紙から書くより、その業種で実際に出てくる作業が並んでいるほうが早く埋まります。
この数字で言えないことも書いておきます。母数は来訪105件・23日ぶんと小さく、業界全体の傾向ではありません。「選んだ」であって「やった」ではありません。選択肢は当社が用意した言葉で、お客様がご自身の言葉で言われたものではありません。
3つの箱には順番があります。無くす → 減らす → 任せるの順です。任せる前に無くせないかを見る、という順番を飛ばすと、要らない仕事を上手に自動化することになります。
「任せる」の中で、機械に任せられるかどうかの見分け方は1つだけです。同じものを入れたら、いつも同じ答えが出るか。出るなら機械に載ります。人の判断が要るなら、判断の手前まで(材料をそろえるところまで)が機械の分担です。
そして、いきなり全件を機械に載せないでください。まず1件で測ってから広げます。1件で通らないものは、100件でも通りません。
6列で足ります。業務名(動詞で書く)・担当・頻度・1回あたりの時間・使う道具や書類・困っていることの6つです。月あたりの時間は頻度×時間で出るので列にしません。列を増やすほど埋まらなくなります。
5つの手順です。①仕事の流れで区切りを決める ②1週間、分類せずに書き出す ③重複と言い換えをまとめる ④頻度と時間を入れる(上位だけ実測) ⑤「無くす・減らす・任せる」の3つの箱に分ける。3つの箱に入った時点で棚卸は終わりです。
1シートに6列の表を作り、1行1業務で書きます。並べ替えと絞り込みができれば十分で、関数は要りません。なお当社は空欄のExcelを配っていません。業種によって「業務名」に入る中身が変わるからです(当社の実測では、選ばれた作業は133種類に散りました)。代わりに、85業種ぶんの記入済みの棚卸表をその場で画面に出せるようにしています。
この面の「業務棚卸のやり方(5つの手順)」がそのまま手順書です。印刷して配るより、実際の業務名が並んだ状態から始めたほうが早く終わります。ご自身の業種を選ぶと、その仕事の工程と作業名が並んだ状態から棚卸を始められます。
監修:大川行成(ブレインコミュニティ合同会社 代表/元・富士通総研 BPRコンサルタント)
業務改善とAIの側から、八十五の業種の仕事の形を分析しています。資格が要る手続きそのものの判断や助言をするものではありません。 → この人について
この記事は当社の型に沿って機械が組み、大川行成が八十五本すべてを確認しています。