
運び終わっても、仕事は終わりません。
伝票が戻ってきて、はじめて一件が閉じます。
産業廃棄物処理では、これが一件ごとに起こります。
渡したあとも、誰の物だったかの責任が消えないからです。
今回は、その追いかけがどこから来ているのかを分解します。
物が手を離れたあとも、出した会社の責任が続くからです。
ふつうの取引は、渡した時点で相手の物になります。
廃棄物は、渡しても出した会社の責任が残ります。
最後に処分されるまで、それが続きます。
続いている間、どこにあるかを示す紙が要ります。
紙は、段階ごとに人の手で回ります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、受入条件の確認とお見積り。
二つ目、契約とマニフェストの準備。
三つ目、収集運搬の段取り。
四つ目、運搬・処理の記録。
五つ目、完了報告とマニフェスト返送。
六つ目、請求と行政報告。
手間が生まれるのは、四つ目と六つ目です。
四つ目の運搬・処理の記録で、段階ごとの証しを残します。
六つ目の請求と行政報告で、一年ぶんをまとめて出します。
今回は、四つ目を分解します。
関わる会社が、一件のうちに何社にも分かれるからです。
出した会社から、運ぶ会社へ渡ります。
運ぶ会社から、中間で処理する会社へ渡ります。
そこから、最後に処分する会社へ渡ります。
段階ごとに、受け取った証しが返ってきます。
全部そろって、はじめて一件が閉じます。
戻らない理由が、遅れなのか事故なのか分からないからです。
処理が済めば、証しが返ってきます。
期限を過ぎても返ってこない一枚があります。
まだ処理していないのか、返し忘れなのかは分かりません。
どちらでも、こちらから確かめに行きます。
確かめないまま置くと、報告の数が合わなくなります。
混ざっている物によって、区分が変わるからです。
同じ木くずでも、塗料が付いていれば別の扱いです。
現場で見て、はじめて分かることがあります。
分かった時点で、受け入れられる処分先が変わります。
変われば、運ぶ先も費用も変わります。
見積りのときの前提が、そこで崩れます。
日々の記録と、報告の様式が別だからです。
現場で書くのは、その日運んだ量と行き先です。
報告に要るのは、区分ごとの一年の合計です。
合計を出すには、一年ぶんの伝票を数え直します。
区分の付け方が現場ごとに揺れていれば、そこで合いません。
合わせるのに、また一枚ずつ見ることになります。
契約も伝票も、取引先ごとに別々に管理するからです。
一社ごとに、契約と許可の確認が要ります。
伝票の束も、一社ごとに分かれます。
期限も、一社ごとに違う日に来ます。
まとめて処理できるところが、あまりありません。
だから、社数がそのまま事務の量になります。
四つとも、同じ一件の廃棄物のことです。
それでも、持っている会社が段階ごとに変わります。
変わるので、証しを紙でつなぐしかありません。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
産業廃棄物処理の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この追いかけは産業廃棄物処理でだけ起きるのですか?
責任が、物の移動と一緒には移らないからです。
ふつうの売買は、渡せば相手の物です。廃棄物は、最後に処分されるまで出した側の責任が続きます。
Q2.なぜ、電子の伝票にしても手間が残るのですか?
現場で区分を決めるのが、人だからです。
入力は早くなります。何の区分かを見て決める部分は、現場の判断のまま残ります。
Q3.なぜ、件数が少なくても事務が重いのですか?
一件あたりに要る紙の枚数が決まっているからです。
小さな一件でも、契約と伝票と報告は同じだけ要ります。件数で割っても軽くなりません。
Q4.なぜ、期限の管理が難しいのですか?
期限が、一件ごとに別の日に来るからです。
運んだ日から数えるので、件数のぶんだけ別々の期限が立ちます。まとめて締められません。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一か月、伝票が戻るまでにかかった日数を並べることからです。
どの段階で止まりやすいかが分かります。追いかける先を絞る材料になります。
産業廃棄物処理の手間は、運ぶ量だけでは決まりません。
関わる会社の数と、戻ってくる紙の枚数で決まります。
責任は、物を渡しても消えません。
消えないので、最後まで紙でつなぐことになります。
責任の続き方を変えられないなら、つなぎ方を変えるしかありません。
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ブレインコミュニティ合同会社
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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