
よく売れる品を、もっと並べたい。
それでも、増やすと別の品が並ばなくなります。
パン・洋菓子製造では、これがいつも起こります。
焼ける数を決めているのが、注文ではなく窯だからです。
今回は、その上限がどこから来ているのかを分解します。
窯に入る量と、回れる回数が決まっているからです。
窯には、一度に入る枚数があります。
一回焼くのにかかる時間も決まっています。
開店までに回れる回数は、そこから決まります。
何を何回焼くかは、その回数の取り合いです。
一つを増やせば、どれかが減ります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、商品企画・材料準備。
二つ目、受注・販売計画。
三つ目、製造計画・人員配置。
四つ目、製造・品質管理。
五つ目、店舗運営・顧客対応。
六つ目、経理・事務処理。
手間が生まれるのは、二つ目と三つ目です。
二つ目の受注・販売計画で、どれをどれだけ並べたいかが決まります。
三つ目の製造計画・人員配置で、その希望を窯の回数に割り付けます。
今回は、三つ目を分解します。
仕込みにかかる時間が、品によって違うからです。
生地を寝かせる時間は、品ごとに決まっています。
長い品は、前の日の夜から始めます。
短い品は、朝からで間に合います。
どれを何時に始めるかは、焼く順番から逆算します。
焼く順番が変われば、始める時刻も全部動きます。
仕込みが、売れ行きが分かる前に始まっているからです。
昨日の売れ残りが分かるのは、閉店後です。
翌日の生地は、その前の晩に仕込んでいます。
仕込んだ生地は、焼くしかありません。
減らせるのは、翌々日からです。
だから、気づいてから直るまでに一日ずれます。
開店までに回れる窯の回数が限られているからです。
開店の時刻は決まっています。
そこまでに焼ける回数は、逆算で決まります。
全種類を並べようとすると、一種類あたりの数が減ります。
数を確保しようとすると、種類が減ります。
どちらを取るかを、毎朝決めています。
焼く数を決める時刻が、天気の分かる時刻より前だからです。
雨の日は、人の出が減ります。
晴れの日は、夕方まで売れ続けます。
どちらになるかは、当日の朝に分かります。
仕込みは、その前に始まっています。
だから、天気に合わせて数を変えることができません。
窯の回数の取り合いに、一つ加わるからです。
新しい品を作るには、焼く回を一つ空けます。
空けるには、いまの品のどれかを減らします。
減らした品を買っておられたお客様がいます。
売れるかどうか分からない品と入れ替えます。
だから、試す一回にも決めごとが要ります。
四つとも、同じ一日の同じ店のことです。
それでも、分かる時刻が決める時刻より後のものがあります。
後なので、決めたあとで直すことができません。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
パン・洋菓子製造の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この取り合いはパン・洋菓子製造でだけ起きるのですか?
作る場所と売る場所が、同じ建物にあるからです。
工場でまとめて作る品なら、売り場の都合とは別に作れます。店で焼く品は、その店の窯の回数が上限になります。
Q2.なぜ、窯を増やせば済むというわけにいかないのですか?
増やしても、仕込みと人の手が同じだけ要るからです。
焼く回数は増えます。そのぶん生地を仕込む人と、成形する人の手が要ります。窯だけでは回りません。
Q3.なぜ、売れ筋だけに絞れないのですか?
品ぞろえが薄いと、来られる方が減るからです。
よく売れる品だけ並べると、その日の目的が合わない方は買わずに出られます。売上は、種類の数にも支えられています。
Q4.なぜ、廃棄をゼロにできないのですか?
足りない日の損が、余った日の損より大きいからです。
売り切れれば、来られた方が買えません。次に来ていただけないことがあります。だから、少し多めに焼く判断になります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一週間、品ごとの焼いた数と売れた数を並べることからです。
どの品で余り、どの品で切れているかが分かります。窯の回数を、どこへ振り替えるかの材料になります。
パン・洋菓子製造の品ぞろえは、売りたい物では決まりません。
窯が回れる回数で決まります。
回数は決まっていて、一つ増やせばどれかが減ります。
割り付けを決める時刻は、売れ方が分かる時刻より前です。
窯を増やせないなら、割り付けの決め方を変えるしかありません。
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パン・洋菓子製造の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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