
注文は五十食。でも、五十人ぶんの事情があります。
仕出し・弁当・給食では、これが毎日続きます。
細かすぎるからではありません。
注文する人と、実際に食べる人が別の人だからです。
今回は、その二重さがどこから来ているのかを分解します。
食数を伝える経路と、一人ずつの事情が届く経路が別だからです。
食数は、施設や会社のご担当者から届きます。
アレルギーや苦手なものは、その方ご本人の話です。
二つは、別のときに、別の形で届きます。
作る側では、それを一つに重ねます。
重ねた結果が合っているかは、渡すまで確かめられません。
六つの工程に分かれます。
一つ目、献立作成・食材調達準備。
二つ目、注文受付・顧客登録。
三つ目、食材発注・調理準備・配送計画。
四つ目、調理・盛り付け・配送。
五つ目、顧客からの問い合わせ・フィードバック対応。
六つ目、請求書発行・入金管理。
手間が生まれるのは、一つ目と二つ目です。
一つ目の献立作成・食材調達準備で、その日出すものが決まります。
二つ目の注文受付・顧客登録で、それを一人ずつの事情に合わせます。
今回は、二つ目を分解します。
同じ食数でも、中身の要る配慮が一人ずつ違うからです。
五十食のうち、卵を除くのが二人。
乳を除くのが一人、量を減らすのが三人。
残りの四十四人は、そのままです。
作る量は五十でも、種類は六つに分かれます。
六つに分けたぶん、間違えられない場所も六つになります。
食べる方の都合が、その日にならないと決まらないからです。
お休みされる方が、朝に分かります。
体調で量を減らしたい方も、その日に分かります。
ご担当者は、分かった時点でご連絡くださいます。
こちらは、仕込みを始めたあとです。
始めたあとの変更は、作り直しか、余りになります。
間違えたときに、取り返しがつかないからです。
数を一つ間違えても、あとで足せます。
除くはずのものが入っていた場合は、そうはいきません。
だから、受けたとき、作るとき、詰めるときに見ます。
三回見るぶん、三回ぶんの時間がかかります。
減らせるのは回数ではなく、一回あたりの見方です。
同じ方の書き方が、届く紙ごとに違うからです。
ある紙では姓だけ、別の紙では姓名です。
部署が変わると、届く先も変わります。
同じ方が二人に見えることがあります。
二人に見えたまま数えると、食数が合いません。
合わないと、朝いちばんに突き合わせることになります。
除いたときの代わりを、そのつど考えるからです。
献立は、前の月に決めています。
卵を除く方には、別のものを足します。
栄養の量も、なるべく揃えます。
その組み合わせは、献立ごとに変わります。
だから、献立の数だけ考え直すことになります。
四つとも、同じ一日の同じお届け先のことです。
それでも、届く経路も届く時刻も揃っていません。
揃っていないので、重ねる作業がお届け先の数だけ起きます。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
仕出し・弁当・給食の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この二重さは仕出し・弁当・給食でだけ起きるのですか?
お金を払う人と、口に入れる人が違うからです。
ご本人が選んで買う食事なら、事情はその場で伝わります。まとめてのご注文では、事情だけが別の道で届きます。
Q2.なぜ、食数が増えると手間が増え方が急になるのですか?
配慮の要る方の数も、一緒に増えるからです。
食数が倍になれば、除く方の数もおおよそ倍です。分ける種類が増えれば、確かめる場所も増えます。
Q3.なぜ、当日の変更を断れないのですか?
断ると、その方の昼食が無くなるからです。
他の商売なら、締め切りを過ぎたお申し込みはお受けしません。その日の食事は、代わりが利きません。
Q4.なぜ、慣れた担当でも確認を省けないのですか?
覚えていることと、記録に在ることが違うことがあるからです。
前の月まで卵を除いていた方が、今月から解除されていることがあります。覚えのほうが古いままだと、そのまま出てしまいます。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一日、食数の確認にかかった時間と、事情の確認にかかった時間を分けて計ることからです。
どちらが重いかが分かります。多くの場合、重いのは事情のほうです。
仕出し・弁当・給食の手間は、食数だけでは決まりません。
一人ずつの事情の数で決まります。
事情は、注文とは別の経路で届きます。
別なので、重ねる作業がお届け先の数だけ起きます。
経路を一つにできないなら、重ね方を変えるしかありません。
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