
ご契約は去年の秋、お式は今年の秋。
その間に、打合せは八回ありました。
結婚式場・ブライダルでは、これが普通です。
注文をいただく日と、お渡しする日が、一年近く離れているからです。
今回は、その離れ方がどこから来ているのかを分解します。
契約の時点では、決められないことのほうが多いからです。
ご契約でお決まりになるのは、日どりと会場と大まかな人数です。
招待する方は、その後に決まります。
お料理も、衣裳も、席の並びも、その後です。
決まる順番が、相手の都合で前後します。
だから、一度で決めきることができません。
六つの工程に分かれます。
一つ目、プランと提携先の準備。
二つ目、来館相談とご成約。
三つ目、打合せと当日の段取り。
四つ目、結婚式当日の進行と業者連携。
五つ目、挙式後のご連絡。
六つ目、最終請求とお支払い。
手間が生まれるのは、二つ目と三つ目です。
二つ目の来館相談とご成約で、お式の骨組みが決まります。
三つ目の打合せと当日の段取りで、その骨組みに中身が入っていきます。
今回は、三つ目を分解します。
一つ決めると、つながっている先も動くからです。
招待する方が二名増えたとします。
席の並びが変わります。
お料理の数も、引出物の数も変わります。
会場の卓の数も変わることがあります。
一つの変更が、四つも五つも先へ伝わります。
出欠が、返信の届いた順にしか分からないからです。
招待状の返信は、一枚ずつ届きます。
全部そろうのは、お式の一か月前です。
それまでの並びは、仮のものです。
仮のまま印刷はできないので、そろうまで待ちます。
そろってから直すので、直す時間は最後に集まります。
決まった中身を、相手ごとに違う形で渡すからです。
お料理の数は、料理をお願いする先へ。
お花の数は、花をお願いする先へ。
同じ「二名増えた」でも、渡す先ごとに書き方が違います。
一度の変更で、四通りの連絡になります。
抜けた一通が、当日の不足になります。
いつ決まったかが、決めた中身と一緒に残らないからです。
打合せのたびに、決まったことを書きます。
三回目で決めたことを、五回目で変えることがあります。
どちらが最新かは、日付を見て判断します。
日付が書かれていない行があると、判断できません。
分からない行は、お客様に確かめ直すことになります。
決めた理由が、その担当者の中にしか無いからです。
紙には、決まったことが書いてあります。
なぜそう決まったかは、書かれていません。
ご両家のご意向は、会話の中にありました。
替わった担当者は、その会話を知りません。
知らないまま提案すると、一度断られた案をまた出すことになります。
四つとも、同じ一組のお式のことです。
それでも、決まる時期も、渡す相手も揃っていません。
揃っていないので、そろえ直す作業が打合せの回数だけ起きます。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
結婚式場・ブライダルの六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この多さは結婚式場・ブライダルでだけ起きるのですか?
お客様が、そのお式をはじめて経験されるからです。
毎年発注される仕事なら、前回の内容が下敷きになります。お式は一度きりなので、決め方から一緒に進めます。
Q2.なぜ、打合せの回数を減らせばよいというわけにいかないのですか?
決まる時期が、こちらでは動かせないからです。
出欠も、ご両家のご意向も、相手の都合で決まります。回数を減らすと、決まっていないまま当日が来ます。
Q3.なぜ、直前になるほど忙しくなるのですか?
決まっていなかったことが、最後に一度に決まるからです。
出欠がそろうのは一か月前です。そこから席順も、お料理も、引出物も、まとめて確定します。
Q4.なぜ、経験の長い担当者でも一件の時間が短くならないのですか?
かかっている時間の多くが、待ち時間だからです。
お客様や提携先の返事を待つ時間は、腕では縮みません。縮むのは、返事が来てからの作業だけです。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一組、変更が何回あって、そのたびに何か所直したかを数えることからです。
一回の変更が何倍になって広がるかが、自分の式場の数字で分かります。
結婚式場・ブライダルの手間は、打合せの回数だけでは決まりません。
一つの変更が何か所に伝わるかで決まります。
決まる時期は、こちらでは動かせません。
動かせないので、変更は最後まで続きます。
変更を止められないなら、伝わり方を変えるしかありません。
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