
同じ車種、同じ年式の二台が、同じ値段になりません。
中古車販売では、これがあたり前です。
走った距離も、傷の場所も、前の持ち主の扱い方も、一台ずつ違います。
だから、値段を比べる相手が、その一台にはいません。
今回は、その「二つと無い」がどこに効いてくるのかを分解します。
扱う商品が、一台ごとに別の商品だからです。
新車なら、型番が同じなら中身も同じです。
中古車は、型番が同じでも中身が違います。
前の持ち主の使い方が、そのまま一台ごとの差になっています。
その差は、書き出さないと誰にも見えません。
だから、一台ごとに書くことになります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、仕入れの準備。
二つ目、集客・販売促進。
三つ目、契約・手続き準備。
四つ目、納車・整備。
五つ目、納車後の点検・ご相談。
六つ目、請求と売上の集計。
手間が生まれるのは、二つ目と三つ目です。
二つ目の集客・販売促進で、その一台だけの説明を毎回ゼロから書きます。
三つ目の契約・手続き準備で、その一台だけの数字を書類ごとに写します。
今回は、二つ目を分解します。
売りになる点が、一台ごとに違うところにあるからです。
ある一台は、距離が短いことが売りです。
別の一台は、距離は長くても整備の記録が全部そろっています。
また別の一台は、その色がもう作られていません。
同じ型に当てはめると、その一台の売りが消えます。
消さずに書こうとすると、毎回ゼロからになります。
比べる相手が、まったく同じ一台ではないからです。
相場の表には、車種と年式ごとの幅が出ています。
幅のどこに入るかは、その一台を見ないと決まりません。
同じ年式でも、装備が一つ違えば動きます。
その判断は、値段の表には書いてありません。
決めた理由は、決めた人の頭の中にだけ残ります。
どこを写すべきかが、一台ごとに変わるからです。
傷がある車は、傷を写しておく必要があります。
傷が無い車には、その写真がありません。
何枚あればよいという決まった数がありません。
足りないと分かるのは、お問い合わせをいただいたときです。
そのときには、その一台がもう店にないこともあります。
お尋ねの中身が、その一台についてだけだからです。
「この車の下回りはどうですか」と伺われます。
答えは、その一台を見に行かないと分かりません。
見に行った人と、返事を書く人が違うこともあります。
同じ質問が別の車で来ても、答えは使い回せません。
一件ずつ、その一台の話になります。
売れた一台の情報が、何か所にも載っているからです。
自社のサイトに載せています。
車を探す方が見られるサイトにも載せています。
紙の情報誌に出していることもあります。
売れたその日に、全部を同時に消すのは手作業です。
残っていると、もう無い一台にお問い合わせが来ます。
四つとも、その一台にしか当てはまりません。
だから、前の一台で書いた文が使えません。
使えないので、在庫が入れ替わるたびに書き直しになります。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
中古車販売の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、新車の販売では同じことが起きないのですか?
新車は、同じ型番なら中身も同じだからです。
説明文はメーカーの資料をそのまま使えます。中古車には、その一台ぶんの資料がありません。
Q2.なぜ、相場の表があっても値段が決まらないのですか?
表に出ているのが、幅であって一点ではないからです。
同じ車種でも上と下で開きがあります。その一台がどこに入るかは、見た人の判断です。
Q3.なぜ、在庫が多いほど手間が増えるのですか?
一台ごとの作業が、そのまま台数ぶんになるからです。
百台あれば、百通りの説明文と百通りの値段があります。まとめて片づく部分がありません。
Q4.なぜ、売れた車の記録が後で必要になるのですか?
納めたあとのご相談が、その一台についてだからです。
どんな整備をして納めたかを見ないと答えられません。台帳のどこにあるかを探すところから始まります。
Q5.何から始めればよいですか?
一台を売るまでに、同じ数字を何回書き写しているかを数えることからです。
仕入れ、掲載、見積、契約、登録で、同じ車台番号と走行距離が出てきます。その回数が、一台ぶんの手間です。
中古車販売の手間は、台数から来ているのではありません。
一台ごとに中身が違うところから来ています。
違うので、前の一台に書いたものが次に使えません。
だから、在庫が入れ替わるたびに最初からになります。
一台ごとの違いを消せないなら、書き写す回数のほうを減らすしかありません。
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中古車販売の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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