
お渡しのとき、一点だけ見つからない。
クリーニングでは、これが起こります。
なくしたのではなく、たいてい別の棚に入っています。
預かる単位と、洗う単位が違うからです。
今回は、その違いがどこから来ているのかを分解します。
お預かりはお客様ごとで、洗うのは素材ごとだからです。
一人のお客様から、五点お預かりします。
五点の中に、水で洗う物と溶剤で洗う物が混ざります。
洗うときは、同じ扱いの物をまとめます。
まとめた時点で、五点はばらばらになります。
お返しするときは、また一人ぶんに集め直します。
六つの工程に分かれます。
一つ目、サービス計画・準備。
二つ目、お客様の受付・ご案内。
三つ目、衣類の準備・仕分け。
四つ目、洗浄・仕上げ。
五つ目、お客様へのお渡し・対応。
六つ目、請求・会計・事務。
手間が生まれるのは、二つ目と三つ目です。
二つ目のお客様の受付・ご案内で、点数と状態を一点ずつ記録します。
三つ目の衣類の準備・仕分けで、その記録がばらばらの束に組み替わります。
今回は、三つ目を分解します。
並べ替える回数が、点数と工程の数を掛けた数になるからです。
お預かりの単位で、一度並べます。
洗い方の単位で、もう一度並べ替えます。
仕上げの単位で、また並べ替えます。
お返しの単位で、最後にもう一度集めます。
一点あたり四回、束を組み替えていることになります。
束から離れたあと、持ち主が分かる手がかりが札しかないからです。
束のままなら、まとめて誰の物か分かります。
洗い方で分けた時点で、束は解けます。
解けたあとの一点は、他の方の物と同じ形をしています。
札が無ければ、戻す先が決まりません。
だから、預かった時点で一点ずつ付けることになります。
洗う前に、状態を見て記録しておく必要があるからです。
すでに付いていたシミは、先に記録します。
ほつれや色あせも同じです。
記録が無ければ、仕上がってから見つかったときに区別できません。
区別できなければ、こちらの責任として扱います。
だから、点数のぶんだけ、その場で見て書いています。
工程の数が、素材によって違うからです。
ふつうの上着は、洗って仕上げれば終わります。
染み抜きが要る物は、そこで一工程増えます。
特殊な素材は、外の専門の工場へ回します。
同じ日にお預かりしても、戻る日は別々です。
一人ぶんが揃うのは、いちばん遅い一点が戻ってからです。
仕上がった順に棚へ並ぶからです。
棚は、仕上がった順に埋まります。
お客様は、預けた順ではなく都合の良い日に来られます。
その方の分が、棚のあちこちに散っています。
番号で引ける物は早く出ます。
揃っていない一点があれば、そこで止まります。
四つとも、同じ一人のお客様のお預かり品のことです。
それでも、まとめる基準が工程ごとに違います。
違うので、束を組み替えるたびに一点ずつ見ることになります。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
クリーニングの六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この探し物はクリーニングでだけ起きるのですか?
他人の物を混ぜて処理するからです。
自社の在庫なら、混ざっても同じ物です。お預かり品は、混ざったあとに正しい持ち主へ戻す必要があります。
Q2.なぜ、お客様ごとにまとめて洗えばよいというわけにいかないのですか?
一人ぶんの中に、洗い方の違う物が混ざっているからです。
まとめて同じ扱いにすると、傷む物が出ます。傷めないためには、素材ごとに分けるしかありません。
Q3.なぜ、点数が倍になると手間が倍以上になるのですか?
並べ替えの回数も、探す範囲も同時に増えるからです。
点数が増えれば札を付ける回数が増え、棚が長くなれば一点を探す時間も長くなります。二つが重なります。
Q4.なぜ、繁忙期にお渡しが遅れやすいのですか?
いちばん遅い一点で、一人ぶんが止まるからです。
四点が仕上がっていても、五点目が外注から戻らなければお渡しできません。点数が増えるほど、遅い一点に当たる確率も上がります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一日、お渡しのときに探した時間を計ることからです。
一点あたりの探す時間と、揃わずにお待たせした件数が分かります。自社の数字で見えます。
クリーニングの手間は、洗う作業だけでは決まりません。
束を何度組み替えるかで決まります。
お預かりはお客様ごと、洗うのは素材ごとで、単位が違います。
違う以上、混ぜて、また分けることになります。
単位を揃えられないなら、組み替えの追い方を変えるしかありません。
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クリーニングの六つの工程が、そのまま並んでいます。
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ブレインコミュニティ合同会社
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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