
監修:大川行成(ブレインコミュニティ合同会社 代表/元・富士通総研 BPRコンサルタント)
業務改善とAIの側から、経営コンサルティングの仕事の形を分析しています。資格が要る手続きそのものの判断や助言をするものではありません。 → この人について
この記事は当社の型に沿って機械が組み、大川行成が八十五本すべてを確認しています。
提案は評価されました。その後どうなったかは知りません。
経営コンサルティングでは、これがふつうです。
関心が無いのではありません。
効いたかどうかが出るのが、契約が終わったあとだからです。
今回は、その返ってこなさがどこから来ているのかを分解します。
必要な数字が、その会社の中にしか無いからです。
業界の相場は、外から調べられます。
その会社が実際にどうなっているかは、中の数字を見るしかありません。
数字は、その会社の形で並んでいます。
見比べるには、こちらの形に並べ替えます。
並べ替え方は、会社ごとに違います。
六つの工程に分かれます。
一つ目、事前調査と課題の仮説づくり。
二つ目、ご提案とご契約。
三つ目、プロジェクトの立ち上げ。
四つ目、分析と打ち手の提示。
五つ目、成果報告とフォロー。
六つ目、請求と業務記録。
手間が生まれるのは、四つ目です。
四つ目の分析と打ち手の提示で、数字を集めて並べ替えて、打ち手を組みます。
その前後の工程は、四つ目で決まったものを運ぶ仕事になります。
今回は、四つ目を分解します。
打ち手が効いたかどうかが、次の案件に返ってこないからです。
前の会社で出した打ち手は、そのとき正しく見えました。
実行されたのは、こちらが離れたあとです。
効いたのか、途中で止まったのかは分かりません。
分からないので、次の案件で参考にできません。
だから、毎回また一から組み立てます。
お手元にある形と、見たい形が違うからです。
会計の数字は、税の申告に合わせた形で並んでいます。
見たいのは、事業ごと・商品ごとの内訳です。
内訳は、別の帳簿に散らばっています。
集めていただくのは、その会社のご担当者です。
ご担当者には、ふだんのお仕事もあります。
数字に出る形と、現場の困りごとの形が違うからです。
現場では「この作業に時間が取られる」と伺います。
数字の側には、その作業の欄がありません。
人件費として、まとめて一行に入っています。
一行を分けるには、時間を計っていただくことになります。
計っていなければ、伺った話のままで進めます。
お渡ししたあと、こちらがいない場所で読まれるからです。
説明の場では、口で補えます。
資料は、その場にいなかった方も読まれます。
読まれる方によって、前提の知識が違います。
どこまで書くかは、読まれる方の顔ぶれで変わります。
顔ぶれは、案件ごとに違います。
同じ業界でも、詰まっている場所が会社ごとに違うからです。
業界の平均は、外から調べられます。
その会社が平均からどう外れているかが、見たい点です。
外れ方は、その会社の歴史で決まっています。
歴史は、外の資料には載っていません。
だから、毎回その会社を調べ直します。
四つとも、同じ一件のご支援のことです。
それでも、結果が出るのは契約の外側です。
外側なので、次の案件に持ち越せる形で残りません。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
経営コンサルティングの六つの工程と、できること一覧
いま月額で払っている道具を、自社のしくみに置き換える
お客様や取引先からお預かりした情報が、どこで外へ広がるのかは、経営コンサルティングで、預かった情報が外へ広がる理由で説明しています。
六つの工程それぞれに、人がやっている作業があります。
顧客情報の収集と整理
業界・競合情報の調査
課題仮説の立案
提案方針の検討
顧客へのアプローチ資料作成
相談内容のヒアリングと記録
提案書の下書き作成
契約書・覚書の準備
プロジェクト計画の策定
チームメンバーの役割分担
必要な資料・データの収集
進捗管理とタスク割り当て
顧客データ・財務データの分析
経営課題の特定と深掘り
解決策の検討と資料作成
顧客への報告・説明
顧客からの質問・相談対応
成果報告書の作成
プロジェクト完了後のフォローアップ
顧客満足度調査
業務日報・活動記録の作成
経費精算の処理
請求書の下書き作成
顧客台帳の更新
Q1.なぜ、この返ってこなさは経営コンサルティングでだけ起きるのですか?
実行するのが、こちらではないからです。
作って納める仕事なら、動いたかどうかはその場で分かります。打ち手は、お客様の会社が実行して初めて結果になります。
Q2.なぜ、あとから伺えばよいというわけにいかないのですか?
伺える立場が、契約とともに終わるからです。
お尋ねすること自体はできます。答えていただく義務はありませんし、うまくいかなかった話ほど返ってきません。
Q3.なぜ、実行まで請け負えば済むというわけにいかないのですか?
実行には、その会社の人と時間が要るからです。
外から入って動かせる範囲には限りがあります。動かすのは、日々その会社で働いておられる方です。
Q4.なぜ、経験を積んでも一件あたりが軽くならないのですか?
使える形で貯まるのが、進め方だけだからです。
調べ方や資料の作り方は速くなります。どの打ち手が効くかは、結果が返ってこないので貯まりません。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一件、離れてから半年後にどうなったかを伺うことからです。
返ってきた一件が、次の案件の判断材料になります。返ってこないかぎり、材料は増えません。
経営コンサルティングの難しさは、頭の良し悪しでは決まりません。
効いたかどうかが返ってこないことで決まります。
実行するのは、お客様の会社です。
結果が出るころには、契約は終わっています。
結果を待てないなら、返してもらう仕組みのほうを変えるしかありません。
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