
現場は終わった。検査も通った。
なのに、案件を締めてみると、思ったより利益が残っていない。
電気工事では、これがよく起きます。
そして、原因が分かっていても直せない。
今回は、その「直せなさ」がどこから来ているのかを分解します。
同じ工事のことが、四つの場所に分かれて置かれているからです。
見積は見積のファイル。現場の記録は現場の紙。完工書は業者から。請求は経理の手元。
どれも同じ一つの工事のことを書いています。
それでも、突き合わせないと一つになりません。
突き合わせるには、人が並べて目で追うしかありません。
そして現場が終わった直後に、その時間は取れません。
六つの工程に分かれます。
一つ目、計画・準備。
二つ目、お見積りとご契約。
三つ目、資材・段取り。
四つ目、工事・実施。
五つ目、引き渡しとアフター対応。
六つ目、完了報告と請求。
利益が目減りするのは、四つ目と六つ目です。
四つ目の工事・実施で、原価が上がります。
六つ目の完了報告と請求で、その分を請求に入れられません。
今回は、六つ目を分解します。
現場が終わった時点で、気持ちが次の現場へ移るからです。
しかも、この工程には書類が四つ並んでいます。
完了報告書。請求書。支払いの確認。台帳への記録。
どれも、現場の手を止めないと進みません。
止められないから、後ろへ送ります。
送ったぶんが、そのまま利益から引かれていきます。
追加した分を請求に入れる根拠が、手元にそろわないからです。
見積の構成と、実際に工事した構成。この二つが別々の紙にあります。
突き合わせるには、二つを並べて目で追うしかありません。
現場が終わった直後に、その時間は取れません。
だから見積のまま請求が出て、差額が粗利から消えます。
台帳が現場の事実どおりなら、この差は生まれません。
前回の報告書を開いて、直して使い回しているからです。
現場名を変え、日付を変え、写真を差し替える。
毎回、同じ手順を人がなぞっています。
手順が毎回同じなら、それは人がやる仕事ではありません。
工事台帳の中身がそろっていれば、下書きは出てきます。
人に残るのは、出てきた下書きを読んで直すところだけです。
合わない一件を見つけるのに、全部を見る羽目になるからです。
台帳と銀行の明細を、二つ並べて目で追っています。
合っている行は、見ても何も起きません。
それでも、見ないと合わない行が分かりません。
機械は、合わない行だけを出します。
百件でも一万件でも、同じ基準で最後まで通ります。
差額が小さく、一件ごとには気づけないからです。
一つの現場で消える額は、たいてい大きくありません。
だから、その場では問題になりません。
積み上がるのは決算のときです。
そこで見えるのは合計だけで、どの現場かは分かりません。
案件ごとに差を残しておけば、次の見積に反映できます。
六つの工程ごとの一覧は、業種ページに置いてあります。
この記事では「なぜそうなるのか」だけを書きました。
「どの作業をAIに任せられるか」は、下のページに全部並んでいます。
電気工事の六つの工程と、できること一覧
AIを実行から外す。ここが線です。
電気工事でいえば、台帳の突き合わせが機械、追加工事を受けるかどうかの判断が人です。
人がやること。どこを機械に任せるかを決めて、出てきた結果を確認する。
AIがやること。読み取り、下準備、下書き。そして処理の型を一度だけ作る。
機械がやること。計算、突き合わせ、写し、繰り返し。
AIは百件なら正確です。一万件になると壊れます。
だから、型はAIに作らせ、実行は機械に渡します。
Q1.なぜ電気工事でAIの活用が必要なのですか?
書類の突き合わせが、利益に直結しているからです。
見積と工事の構成がずれたまま請求すると、その差額は粗利から消えます。突き合わせは、人がいちばん疲れる作業です。
Q2.なぜ請求は、見積のまま出てしまうのですか?
追加した分を請求に入れる根拠が、締めの時点でそろわないからです。
現場の記録と見積が別々の紙にあり、突き合わせる時間が次の現場に取られます。
Q3.なぜ、AIに全部任せてはいけないのですか?
量が増えると、AIは同じ答えを返さなくなるからです。
百件なら正確でも、一万件では計算がずれ、間違いに気づけません。実行は機械に、判断は人に残します。
Q4.なぜ、人数が少ない会社ほど効くのですか?
一人が何役もやっていると、書類がいちばん後になるからです。
現場に出る人と書類を作る人が同じなら、後回しはそのまま利益の目減りになります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一案件、ずれた額を数字にすることからです。
見積の構成と実際に工事した構成を突き合わせれば、直す値打ちがあるかどうかは分かります。
電気工事の利益は、大きな失敗では減りません。
現場ごとの小さな差額が、決算まで見えないまま積み上がります。
差が生まれるのは、書類が四つに分かれているからです。
分かれたままでも、突き合わせは機械に渡せます。
渡したぶん、現場に戻れます。
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ブレインコミュニティ合同会社
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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