
先月まで週三回来ていた方が、今月は一度も来ていない。
気づいたのは、退会の紙が出てからでした。
フィットネスジムでは、これがよく起きます。
やめる前触れが、何かが起きるのではなく、何も起きない形で来るからです。
今回は、その見えなさがどこから来ているのかを分解します。
来られなかったことが、どこにも記録として残らないからです。
来られた日は、入館の記録に残ります。
来られなかった日には、記録が作られません。
無かったことは、探しても出てきません。
気づくには、来た日を並べて隙間を見つけるしかありません。
会員の人数のぶんだけ、その並べ直しが要ります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、プログラムと販促の準備。
二つ目、体験から入会まで。
三つ目、予約とシフトの調整。
四つ目、指導記録と利用管理。
五つ目、退会対応とご意見。
六つ目、月会費の請求と入金確認。
手間が生まれるのは、四つ目と六つ目です。
四つ目の指導記録と利用管理で、会員一人ずつの様子が分かれます。
六つ目の月会費の請求と入金確認で、その結果が数字になって出ます。
今回は、四つ目を分解します。
見るべき合図が、来た記録ではなく来ていない期間だからです。
来られた方は、目の前におられるので分かります。
来られない方は、目の前におられません。
見えない人を見るには、名簿の側から探します。
名簿は、会員の人数ぶんあります。
人数が増えれば、探す手間もそのまま増えます。
どちらも、その日は来ておられないからです。
週一回の方が十日空くのは、いつものことです。
週四回の方が十日空くのは、いつもと違います。
同じ十日でも、意味が違います。
意味を読むには、その方のふだんの間隔が要ります。
ふだんの間隔は、記録を並べ直さないと出てきません。
書くのが、会員ご本人だからです。
何をどれだけやったかは、本人しか知りません。
本人が書かなければ、記録は残りません。
疲れているときほど、書かずに帰られます。
抜けた日があると、伸びているかどうかも読めません。
読めないので、次に何を勧めるかも決まりません。
その方の話が、いくつもの場所に分かれているからです。
入館の記録は、入口の台帳にあります。
レッスンの予約は、別の台帳です。
健康状態の聞き取りは、紙のカルテです。
会費の引き落としは、また別です。
一人ぶんに束ね直さないと、いま声をかけるべきかが判断できません。
やめると決めたあとの言葉だからです。
退会の紙には、理由を書く欄があります。
そこに書かれるのは、決めたあとの説明です。
本当に離れ始めた時期は、その一、二か月前です。
そのころ何があったかは、紙には書かれません。
だから、集めても次の会員には効きません。
四つとも、同じ一人の会員のことです。
それでも、置き場も残る速さも揃っていません。
揃っていないので、探すのは会員の人数ぶんの手作業になります。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
フィットネスジムの六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この見えなさはフィットネスジムでだけ起きるのですか?
お金が、使っていなくても入ってくるからです。
来ていない方からも会費は入ります。数字の上では何も変わらないので、離れ始めが売上に出てきません。
Q2.なぜ、入館の記録を見れば済むというわけにいかないのですか?
来た日が並んでいるだけでは、遅れなのか離脱なのか分からないからです。
意味が出るのは、その方のふだんの間隔と比べたときだけです。比べるには、一人ずつ過去を並べ直します。
Q3.なぜ、会員が増えるほど気づけなくなるのですか?
探す作業が、人数にまっすぐ比例するからです。
来ている方は目に入りますが、来ていない方は名簿から探します。名簿が長くなれば、そのまま時間が増えます。
Q4.なぜ、声をかけると嫌がられることがあるのですか?
こちらの都合で声をかけているように受け取られるからです。
その方の状況を踏まえずに連絡すると、引き止めの連絡だと伝わります。踏まえるには、記録を束ね直す必要があります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず先月やめた方の、半年ぶんの来館日を並べることからです。
いつから間隔が空き始めたかが分かります。その時期が、声をかけるべきだった時期です。
フィットネスジムの退会は、突然決まるのではありません。
来る間隔が空くところから始まります。
空いたことは、記録として残りません。
残らないので、気づくのは紙が出てからになります。
来なかった日を作れないなら、来た日の並べ方を変えるしかありません。
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