
監修:大川行成(ブレインコミュニティ合同会社 代表/元・富士通総研 BPRコンサルタント)
業務改善とAIの側から、行政書士の仕事の形を分析しています。資格が要る手続きそのものの判断や助言をするものではありません。 → この人について
この記事は当社の型に沿って機械が組み、大川行成が八十五本すべてを確認しています。
去年やった申請と、同じ種類のはずだった。
それなのに、また要件を調べるところから始まっている。
行政書士では、これが毎回起きます。
怠けているのではありません。前回の控えが、そのままでは使えないのです。
今回は、その使えなさがどこから来ているのかを分解します。
許認可の決まりが、国の法令・自治体の要綱・窓口の運用に分かれているからです。
国の法令。自治体の要綱。そして窓口の運用。
三つとも、同じ一つの許認可のことを決めています。
それでも、どれか一つでも変わっていれば添付が変わります。
変わったかどうかは、確かめないと分かりません。
だから、前回の控えは出発点にしかなりません。
六つの工程に分かれます。
一つ目、相談・受任。
二つ目、情報収集・調査。
三つ目、書類作成・準備。
四つ目、申請・提出。
五つ目、許認可後の対応。
六つ目、報酬の請求と記録。
手間が生まれるのは、二つ目と三つ目です。
二つ目の情報収集・調査で、確かめ直しが起きます。
三つ目の書類作成・準備で、その結果がそのまま書類の中身になります。
今回は、二つ目を分解します。
前回と同じかどうかを、確かめる手立てが無いからです。
要綱が去年から変わっていないという保証は、どこにもありません。
変わっていれば、その一点で申請は返されます。
返されれば、待たせた時間はそのまま損になります。
だから、変わっていない可能性が高くても、行政書士は確かめます。
確かめる作業は、正しくやっても新しい価値は生まれません。
同じ許認可でも、自治体ごとに添付が違うからです。
隣の市と同じ様式のことも、まったく違うこともあります。
どちらかは、その市の要綱を見ないと分かりません。
見て、拾って、一覧にする。ここまでが毎回です。
この一覧が固まるまで、お客様に何を用意してもらうか言えません。
言えない間、お客様の側も動けません。
足りないものが、作り始めてから見つかるからです。
最初にお願いするのは、そのときに分かっている分だけです。
書類を組み立てていく途中で、もう一枚要ることに気づきます。
気づくたびに連絡し、届くのを待ちます。
お客様から見れば、何度も催促されている形になります。
行政書士の側でも、そのたびに手を止めています。
運用が、書かれた要綱の外で決まっているからです。
同じ条文でも、認める範囲は窓口で違うことがあります。
その違いは、紙のどこにも書いてありません。
だから電話で聞き、聞いた内容は担当者の記憶に入ります。
次に同じ窓口へ出すときも、覚えている人がいなければまた聞きます。
聞いた内容が残らないので、行政書士事務所として貯まりません。
何を確かめるべきかが、その人の中にしかないからです。
どこが変わりやすいかは、やってみた人だけが知っています。
書いていないので、新しい人は見るべき場所を外します。
外したことに気づくのは、返されてからです。
だから、確かめる仕事が一人に集まります。
集まるほど、その人は新しい案件を受けられなくなります。
四つとも、同じ一つの許認可のことを指しています。
それでも、どれか一つでも変わっていれば添付が変わります。
変わったかどうかは確かめるまで分からないので、前回の控えは出発点にしかなりません。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
行政書士の六つの工程と、できること一覧
いま月額で払っている道具を、自社のしくみに置き換える
お客様や取引先からお預かりした情報が、どこで外へ広がるのかは、行政書士で、預かった情報が外へ広がる理由で説明しています。
六つの工程それぞれに、人がやっている作業があります。
相談内容の聞き取り・整理
必要な書類や手続きの案内
受任契約書の下書き作成
報酬の見積もり準備
関連法令・判例の調査
過去の申請事例の検索
必要書類のリストアップ
お客様からの資料収集
申請書・届出書の下書き作成
添付書類の収集・整理
契約書・議事録の下書き作成
提出書類の最終チェック
提出先役所の確認
提出書類の最終確認
提出手続きの代行
進捗状況の管理
許認可結果の確認
お客様への結果報告
関連する台帳の更新
次回の更新時期の通知
報酬請求書の下書き作成
経費の整理・記録
顧客台帳の更新
問い合わせ対応の記録
Q1.なぜ、この確かめ直しは行政書士でだけ起きるのですか?
出す先が、こちらの取引先ではなく役所だからです。
取引先なら、前と同じでよいかを一言で確かめられます。役所は要綱で決まるので、変わっていれば理由を問わず返されます。
Q2.なぜ、前回の控えをそのまま使えないのですか?
変わっていないという保証が、どこにも無いからです。
要綱は年度で変わります。変わった一点で返されるので、可能性が低くても確かめることになります。
Q3.なぜ、気をつけていても防げないのですか?
運用が、書かれた要綱の外で決まっているからです。
紙を読み込んでも、その窓口が認める範囲までは書いてありません。聞かないと分からない部分が必ず残ります。
Q4.なぜ、人数が少ない事務所ほど大きく出るのですか?
確かめる人と、書類を作る人が同じだからです。
確かめている間は、書類が一枚も進みません。分けられる事務所なら、並べて進められます。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一件、調べるのに使った時間を測ることからです。
受任から一枚目の書類を作り始めるまでに何日あったかが分かれば、縮める値打ちがあるかどうかも分かります。
行政書士が毎回調べ直すのは、慎重すぎるからではありません。
同じ許認可を、三つの場所が別々に決めているからです。
どれか一つでも変わっていれば、その一点で返されます。
変わったかどうかは、確かめるまで分かりません。
だから、前回の控えは出発点にしかならないのです。
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行政書士の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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