
お一人の利用者様に、何人もの人が関わっておられます。
主治医、ケアマネジャー、ご家族、そして他の事業所です。
医療・介護では、その全員が別の組織にいます。
だから、同じ方のことを一つにまとめた台帳が、どこにも無い状態になります。
今回は、その「またいでいる」がどこに効いてくるのかを分解します。
同じ方の情報が、別々の組織に分かれて置いてあるからです。
こちらで記録したものは、こちらにあります。
病院で記録されたものは、病院にあります。
ご家族がご存じのことは、ご家族の頭の中です。
つなぐには、そのつど伝え直すことになります。
伝え直した記録も、また別に残ります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、計画・準備。
二つ目、受け入れ・契約。
三つ目、機器・医薬品と職員体制の準備。
四つ目、サービス提供・記録。
五つ目、事後対応・連携。
六つ目、報酬請求と入金の消し込み。
手間が生まれるのは、四つ目と六つ目です。
四つ目のサービス提供・記録で、その日のことを何通りかの相手向けに書きます。
六つ目の報酬請求と入金の消し込みで、その記録を請求の形に組み直します。
今回は、四つ目を分解します。
同じ一日のことを、受け取る側ごとに別の形で要るからです。
職員どうしの申し送りは、次の勤務の人が読みます。
ご家族への報告は、専門の言葉を外して書きます。
主治医への情報は、必要な数字だけを抜きます。
行政へ出す記録は、決められた様式に入れます。
元は同じ一日でも、四通りになります。
伝えたい中身が、様式の欄に入りきらないからです。
「今日は少し元気がなかった」という気づきがあります。
どの欄に入れるかが、決まっていません。
入れないと、次の人に伝わりません。
だから、その場で口でお伝えします。
伝わりますが、あとから探せません。
専門の言葉を、そのままお伝えできないからです。
職員どうしなら、短い言葉で通じます。
ご家族には、その言葉の意味からご説明します。
ご心配になるところは、ご家庭ごとに違います。
同じ文面を、そのまま使えません。
一件ずつ書き直すことになります。
同じことを指す言葉が、事業所ごとに違うからです。
こちらで使っている区分の名前があります。
先方には、別の名前の区分があります。
どちらも間違っていません。
突き合わせるのは、受け取った人の仕事になります。
突き合わせた結果は、口頭で確かめることになります。
変わったと分かるのが、何日か経ってからだからです。
一日だけでは、たまたまかもしれません。
何日か続いて、初めて変化と分かります。
気づいた日に書けるのは、その日のことだけです。
つながりは、あとから読み返して見つけます。
読み返すのは、別の人であることもあります。
四つとも、同じ一日のことです。
それでも、読む人が別々の組織におられます。
組織が別なので、様式も言葉もそろいません。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
医療・介護の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、一つの記録で全部をまかなえないのですか?
受け取る側ごとに、決められた形が違うからです。
行政の様式は動かせません。ご家族には別の言葉が要ります。同じ一枚では、どちらも満たせません。
Q2.なぜ、記録が請求の根拠になるのですか?
実際にしたことを示せるのが、記録だけだからです。
ケアそのものは形に残りません。書いていなければ、していないことと同じ扱いになります。
Q3.なぜ、職員が増えても楽にならないのですか?
伝え直す相手の数も、同時に増えるからです。
勤務が交代するたびに申し送りが要ります。人数が増えると、つなぎ目の数が増えます。
Q4.なぜ、計画と実際がずれるのですか?
計画は月の単位で、状態は日の単位で動くからです。
立てた計画は数か月続きます。その方の状態は、朝と夕でも変わることがあります。
Q5.何から始めればよいですか?
同じ一日のことを、何通りに書き分けているかを数えることからです。
申し送り、ご家族への報告、主治医への情報、行政の様式。その数が、またいでいる組織の数です。
医療・介護の手間は、ケアそのものから来ているのではありません。
お一人の方に、事業所の外の人が何人も関わっているところから来ています。
組織が別なので、様式も言葉もそろいません。
だから、同じ一日を何通りにも書き分けます。
組織の壁を消せないなら、書き分ける作業のほうを軽くするしかありません。
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医療・介護の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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ブレインコミュニティ合同会社
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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