
三年前に決まったはずの話が、また議題に上がりました。
マンション管理では、これがくり返されます。
住民の方が忘れているのではありません。
決める人が、一年ごとに入れ替わるからです。
今回は、そのくり返しがどこから来ているのかを分解します。
毎年、初めての方に一から説明することになるからです。
理事は、輪番で一年ごとに交代されます。
去年の理事会で何を話したかは、議事録に残っています。
残っていても、新しい理事の方は読んでおられません。
読んでいただくには、まず何を読めばよいかをお伝えします。
お伝えするのは、管理会社の側になります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、総会資料と修繕計画の準備。
二つ目、管理受託のご提案と契約。
三つ目、修繕工事の手配と進捗管理。
四つ目、日常管理と理事会運営。
五つ目、管理報告とご意見の反映。
六つ目、管理費の請求と会計。
手間が生まれるのは、四つ目と六つ目です。
四つ目の日常管理と理事会運営で、毎年の伝え直しが起きます。
六つ目の管理費の請求と会計で、その決めごとが数字になります。
今回は、四つ目を分解します。
経緯を知っている人が、一年で全員入れ替わるからです。
ある工事を見送った理由が、三年前にあります。
そのとき理事だった方は、いまは理事ではありません。
いまの理事の方は、その工事を新しい提案として見られます。
見送った理由は、議事録の中にだけあります。
議事録は、何年ぶんもあります。
お住まいの方が入れ替わり、伝えた先も入れ替わるからです。
掲示板に貼ったお知らせは、その時期の方が読まれます。
半年後に越してこられた方は、読んでおられません。
同じことを、またお尋ねになります。
貼り直せば、前から住んでおられる方には二度目です。
誰に何が届いているかは、こちらでは分かりません。
どこまで説明が要るかが、その年の理事の方によって変わるからです。
前の年に建物のことに詳しい方がおられれば、話は早く進みます。
次の年は、初めての方ばかりのことがあります。
同じ議題でも、前提の説明から要ります。
要るかどうかは、お会いしてみるまで分かりません。
だから、厚めに作って、要らなければ飛ばします。
起きたことを知らせてくださるのが、お住まいの方だからです。
共用部の不具合は、巡回で見つかることもあります。
多くは、気づかれた方からのご連絡です。
ご連絡いただけなければ、次の巡回まで分かりません。
巡回は、毎日ではありません。
その間に、同じことで困られる方が増えます。
決める方の任期より、計画の期間のほうが長いからです。
修繕の計画は、十年先まで引きます。
理事の任期は、一年です。
十年先の負担を、いまの理事の方が決めることになります。
決めても、実行するのは別の代です。
だから、決めきらずに次へ送られることが起きます。
四つとも、同じ一つの建物のことです。
それでも、覚えている人だけが毎年入れ替わります。
入れ替わるので、伝え直しが年に一度ずつ起きます。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
マンション管理の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、このくり返しはマンション管理でだけ起きるのですか?
決める人が、その仕事の専門家ではないからです。
会社なら、決める人は続けてその立場にいます。理事は輪番で、任期が終われば元の暮らしに戻られます。
Q2.なぜ、議事録があっても足りないのですか?
議事録は、決まったことしか書かないからです。
なぜそう決めたかの背景は、話し合いの中にありました。書かれていなければ、次の代には残りません。
Q3.なぜ、理事の任期を延ばせないのですか?
お住まいの方の負担になるからです。
理事はお仕事の合間に務められます。長くお願いすると、引き受けてくださる方が減ります。輪番はその折り合いです。
Q4.なぜ、戸数が増えると急に重くなるのですか?
お住まいの方の数だけ、届け先が増えるからです。
決めることの数は、戸数ではあまり変わりません。伝える相手と、お問い合わせの数が戸数で増えます。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一年、理事会で「前にも出た議題」が何件あったかを数えることからです。
くり返しの量が分かります。その分が、伝え直しに使われている時間です。
マンション管理の手間は、建物の大きさだけでは決まりません。
決める人が毎年入れ替わることで決まります。
去年の経緯は、議事録の中にしか残りません。
残っていても、読まれなければ無いのと同じです。
任期を変えられないなら、経緯の残し方を変えるしかありません。
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マンション管理の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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