
監修:大川行成(ブレインコミュニティ合同会社 代表/元・富士通総研 BPRコンサルタント)
業務改善とAIの側から、卸売・商社の仕事の形を分析しています。資格が要る手続きそのものの判断や助言をするものではありません。 → この人について
この記事は当社の型に沿って機械が組み、大川行成が八十五本すべてを確認しています。
置きたくて置いている在庫ではありません。
卸売・商社の倉庫には、いつも半端な数が残ります。
読み違えたからではありません。
仕入れ先の売り方と、得意先の買い方が、そもそも合っていないからです。
今回は、その合わなさがどこから来ているのかを分解します。
数える単位が、仕入れ先と得意先で違うからです。
仕入れ先は、箱で売ります。
得意先は、本で買われます。
一箱が二十四本だとします。
五本ほしいと言われても、一箱でしか入りません。
その差の十九本を、こちらが持つことになります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、市場調査と仕入れ先の選定。
二つ目、商談とお見積り。
三つ目、発注と物流の手配。
四つ目、受注と納品。
五つ目、返品・クレームの処理。
六つ目、請求と売掛の消し込み。
手間が生まれるのは、三つ目と四つ目です。
三つ目の発注と物流の手配で、両側の単位と日付を合わせます。
四つ目の受注と納品で、合わせた結果がそのまま納期になります。
今回は、三つ目を分解します。
仕入れの最小の数と、注文の数が、同じ数になることがまずないからです。
仕入れには、これ以下では買えないという数があります。
注文には、そのお客様が使う数があります。
二つは、別の理由で決まっています。
だから、ぴったり同じ数になりません。
差は、こちらの棚に残るか、お待たせするかのどちらかになります。
仕入れ先の品番と、得意先の品番が別々に決まっているからです。
仕入れ先は、自社の品番で伝票を出します。
得意先は、自社の品番で注文を出します。
同じ物なのに、二つの番号が付いています。
つなぐ表は、こちらの中にしかありません。
取引先が増えるたびに、つなぐ番号も増えます。
こちらの在庫だけでは答えが出ないからです。
棚にあれば、明日出せます。
無ければ、仕入れ先に聞きます。
仕入れ先も在庫が無ければ、その先の工場に聞きます。
返事が来るまで、こちらは何も言えません。
待っている間、得意先はこちらの返事を待っておられます。
仕入れ値が、買う量と時期で変わるからです。
同じ商品でも、まとめて買えば安くなります。
為替や相場が動けば、また変わります。
前に出した見積りの値は、そのままでは使えません。
いくらで仕入れられるかを、そのつど確かめます。
確かめてから、そこに乗せる幅を決めます。
こちらで作った物ではないので、行き先が二方向に分かれるからです。
得意先から返ってきた物を、まず受けます。
こちらの在庫に戻せる物と、戻せない物があります。
戻せない物は、仕入れ先へ返す相談をします。
相談が通るまで、どちらの帳簿にも半端が残ります。
一件の返品で、二つの取引を直すことになります。
四つとも、同じ一つの商品のことです。
それでも、数の単位も日付の決まり方も揃っていません。
揃っていないので、間に立つ側がその差を持つことになります。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
卸売・商社の六つの工程と、できること一覧
いま月額で払っている道具を、自社のしくみに置き換える
お客様や取引先からお預かりした情報が、どこで外へ広がるのかは、卸売・商社で、預かった情報が外へ広がる理由で説明しています。
Q1.なぜ、この半端は卸売・商社でだけ起きるのですか?
自分では作らず、自分では使わないからです。
作る側なら、売る単位を自分で決められます。使う側なら、必要な数だけ買えます。間に立つと、両側の決まりを同時に守ることになります。
Q2.なぜ、在庫を持たない形にできないのですか?
持たなければ、そのぶんお待たせすることになるからです。
注文のたびに仕入れれば、棚は空になります。そのかわり、届くまでの日数がそのまま納期に足されます。
Q3.なぜ、取引先が増えると手間が急に増えるのですか?
つなぐ組み合わせが、掛け算で増えるからです。
仕入れ先十社と得意先百社なら、品番のつなぎは十と百の掛け算に近づきます。社数ではなく組み合わせで増えます。
Q4.なぜ、利益の幅が薄くなりやすいのですか?
両側の値段を、こちらでは決められないからです。
仕入れ値は仕入れ先が、売値は競合との比べ合いで決まります。動かせるのは、その間の作業をどれだけ短くするかだけです。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一品目、仕入れの最小の数と、一回あたりの注文の数を並べることからです。
二つの差が、その品目で持たされている在庫です。自社の数字で見えます。
卸売・商社の在庫は、読み違いで生まれるのではありません。
両側の単位が違うことで生まれます。
仕入れの最小の数も、注文の数も、こちらでは決められません。
決められない以上、差はどこかに残ります。
単位を変えられないなら、差の持ち方を変えるしかありません。
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卸売・商社の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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その工程で使えるAIと、いまかかっている時間から、一年でどれだけ手間が減るかが、その場で出ます。
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