
リフトに車が載ったまま、二時間動いていない。
作業が難しいからではありません。
お客様の返事を待っているからです。
自動車整備では、この待ち時間が一日の台数を決めています。
今回は、その待ちがどこから来ているのかを分解します。
やる作業の一部が、開けてから決まるからです。
入庫のときに分かるのは、お客様が言った不具合だけです。
外して中を見て、はじめて別の傷みが見つかります。
見つかった分は、勝手に直せません。
直すかどうかを決めるのは、お客様です。
だから、決まるまでその車は動かせません。
六つの工程に分かれます。
一つ目、整備計画と部品の準備。
二つ目、ご相談とお見積り。
三つ目、入庫と整備の段取り。
四つ目、整備作業と最終確認。
五つ目、納車と点検のご案内。
六つ目、請求と整備記録の保管。
手間が生まれるのは、四つ目と六つ目です。
四つ目の整備作業と最終確認で、待ち時間が生まれます。
六つ目の請求と整備記録の保管で、その日の記録をまとめて開きます。
今回は、四つ目を分解します。
追加の整備を、その場で決められないからです。
見つけた整備士は、その場で直したいと思っています。
しかし、費用が増えるので勝手には進められません。
電話をかけ、お客様が出るのを待ちます。
仕事中の方なら、折り返しは夕方になります。
その間、リフトも整備士も一台ぶん埋まったままです。
どこがどう傷んでいるかを、言葉で伝えているからです。
目の前にある部品を、電話の相手は見ていません。
だから、状態を言葉に置き換えて説明します。
置き換えた説明は、人によって伝わり方が変わります。
伝わらなければ、必要かどうかの判断も揺れます。
揺れれば、返事はさらに後ろへ動きます。
手を汚しているうちは、書けないからです。
作業中の整備士は、工具を持っています。
そのまま端末には触れません。
書けるのは、手を洗って着替えたあとです。
そのころには、次の車がもう入っています。
だから記録は、その日の最後にまとめて書くことになります。
説明した中身が、電話の中で消えるからです。
追加整備の話は、多くが口頭で終わります。
了解をいただいた記録は、担当者の記憶にしかありません。
記憶なので、あとから確かめる手立てがありません。
確かめられないと、こちらが引き下がることになります。
だから、説明のたびに気を使うことになります。
リフトが埋まる理由の一部が、作業ではないからです。
手を動かしている時間は、経験で短くできます。
しかし、返事を待っている時間は短くできません。
待ちの長さを決めているのは、お客様の都合です。
自動車整備の回転は、この待ちの分だけ落ちます。
作業を速くしても、待ちが同じなら台数は変わりません。
三つとも、同じ一台の車のことです。
それでも、二つ目が出た時点で作業は止まります。
止まっている間もリフトは埋まっているので、次の車も入れられません。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
自動車整備の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この待ちは自動車整備でだけ起きるのですか?
預かった物を、こちらの判断では変えられないからです。
自社の物を作る仕事なら、途中の判断は自社で決められます。整備はお客様の車なので、増える分は必ず確認が要ります。
Q2.なぜ、入庫のときに全部見ておけないのですか?
外さないと見えない場所があるからです。
受付でできるのは、外から見て話を聞くところまでです。中の傷みは、分解してはじめて分かります。
Q3.なぜ、気をつけていても防げないのですか?
返事の速さを決めているのが、お客様だからです。
こちらが早く連絡しても、相手が仕事中なら折り返しは夕方です。丁寧さでは縮みません。
Q4.なぜ、工場が小さいほど大きく出るのですか?
リフトの本数が少ないほど、一台の待ちが響くからです。
二本しかなければ、一台の待ちで半分が止まります。台数の余裕が、そのまま待ちへの強さになります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一日、返事を待った時間を足すことからです。
作業時間ではなく待ち時間を数えると、台数が増えない理由が自社の数字で見えます。
自動車整備の回転が上がらないのは、作業が遅いからではありません。
やる作業の一部が、開けてから決まるからです。
決めるのはお客様なので、その場では進められません。
待っている間も、リフトは埋まったままです。
作業を速くしても、待ちが同じなら台数は変わりません。
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自動車整備の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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ブレインコミュニティ合同会社
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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