
前にも似た物を作ったはずだ。
製造・工場では、そう思って探し始めることがよくあります。
そして、たいてい途中でやめて、一から引き直します。
作り直すたびに、似ているけれど少し違う物が一つ増えます。
今回は、その増え方がどこから来ているのかを分解します。
過去の物が、案件の名前で並んでいて、中身で引けないからです。
図面は案件ごとの場所に入っています。部品の表もその横にあります。
だから、どの案件かを思い出せれば開けます。
しかし、思い出したいのは案件名ではなく、形と寸法と材質です。
その並びでは入っていないので、心当たりを片端から開くことになります。
開いて違えば、また次を開きます。
六つの工程に分かれます。
一つ目、企画・設計。
二つ目、資材調達・仕入れ。
三つ目、生産準備・工程管理。
四つ目、製造・加工。
五つ目、品質管理・出荷。
六つ目、経理・事務。
手が止まるのは、一つ目と三つ目です。
一つ目の企画・設計で、探すより引き直すことになります。
三つ目の生産準備・工程管理で、その差が段取りの手間になります。
今回は、一つ目を分解します。
探す時間が読めないのに、引き直す時間は読めるからです。
引き直すなら、何時間かかるか見当が付きます。
探すのは、五分で見つかることも、半日出てこないこともあります。
納期が決まっている場では、読める方を選びます。
選び続けた結果が、いまの図面の数です。
数が増えたので、次はもっと探せません。
既にある部品を見つけられないまま、新しい番号を採るからです。
同じ働きの部品が、寸法だけ少し違う形で並びます。
並んでいることに気づくのは、在庫を数えたときです。
気づいても、図面はもう出ています。
だから、まとめる話は次回へ送られます。
形や寸法で引ける形なら、採る前に気づけます。
図面から拾い出して、人が打ち直しているからです。
図面に書いてあることを、表の形に置き換えます。
置き換えるだけなので、新しい価値は生まれません。
それでも一つ打ち間違えれば、違う物が届きます。
だから慎重になり、そのぶん時間がかかります。
書き写しは、いま機械に渡せる代表です。
前回どう段取ったかが、その人の手の記憶にあるからです。
治具の位置、刃物の順番、確かめる寸法。
どれも手順書には粗くしか書いてありません。
細かいところは、やった人が覚えています。
覚えている人が休むと、同じ段取りに倍かかります。
過去の段取りが残っていれば、時間は読める形になります。
作った日の条件が、別々の紙に散っているからです。
材料のロット、機械の設定、作業した人、その日の温度。
どれも記録はありますが、置き場所が違います。
一つの製品について集めるには、人が全部の紙をたどります。
たどっている間、同じ条件で次の製品が流れています。
製品ごとに条件がそろっていれば、追う作業は数分で終わります。
六つの工程ごとの一覧は、業種ページに置いてあります。
この記事では「なぜそうなるのか」だけを書きました。
「どの作業をAIに任せられるか」は、下のページに全部並んでいます。
製造・工場の六つの工程と、できること一覧
AIを実行から外す。ここが線です。
製造・工場でいえば、過去の図面や部品を探し出すところが機械、その形で作ると決めるのが人です。
人がやること。どこを機械に任せるかを決めて、出てきた結果を確認する。
AIがやること。読み取り、下準備、下書き。そして処理の型を一度だけ作る。
機械がやること。計算、突き合わせ、写し、繰り返し。
AIは百件なら正確です。一万件になると壊れます。
だから、型はAIに作らせ、実行は機械に渡します。
Q1.なぜ製造・工場でAIの活用が必要なのですか?
探す時間が読めないことが、作り直す判断を生んでいるからです。
納期が決まっている場では、読める方が選ばれます。探す時間が読めるようになれば、選び方が変わります。
Q2.なぜ、似た部品が増えつづけるのですか?
既にある部品を、番号を採る前に見つけられないからです。
気づくのは在庫を数えたときで、そのときには図面がもう出ています。だから、まとめる話は次回へ送られます。
Q3.なぜ、AIに設計を任せてはいけないのですか?
壊れたときに責任を負うのが人だからです。
似た形を探すことや、部品表を作ることは機械が担えます。しかし、この形で作ると決めるのは設計者の仕事です。実行は機械に、判断は人に残します。
Q4.なぜ、人数が少ない工場ほど効くのですか?
設計も段取りも同じ人がやっていると、探す時間が丸ごと納期を押すからです。
押した分は残業になるか、作り直しになります。どちらも原価に乗ります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一件、過去の図面を探すのにかかった時間を測ることからです。
時間が分かれば、引ける形にする値打ちがあるかどうかも分かります。
製造・工場で似た物が増えるのは、整理が下手だからではありません。
過去の物が案件の名前で並んでいて、中身で引けないからです。
引けないので、探す時間が読めず、読める方の作り直しが選ばれます。
探す作業は、いま企画・設計の工程で機械に渡せます。
渡したぶん、同じ物を二度作らずに済みます。
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ブレインコミュニティ合同会社
現場の手作業の隙間を、AIで自動化する受託開発です。
代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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