
監修:大川行成(ブレインコミュニティ合同会社 代表/元・富士通総研 BPRコンサルタント)
業務改善とAIの側から、社会保険労務士の仕事の形を分析しています。資格が要る手続きそのものの判断や助言をするものではありません。 → この人について
この記事は当社の型に沿って機械が組み、大川行成が八十五本すべてを確認しています。
入社の書類が、机に積まれている。
一人ぶん打ち込むのに、思ったより時間がかかる。
そのあいだに、次の月の給与計算が近づいてくる。
社会保険労務士の事務所では、これがよく起きます。
人を増やさずに顧問先を増やそうとすると、まずここで詰まります。
顧問先から届くものが、いまも紙と画像だからです。
入社書類。扶養の届。住所の変更。
どれも、顧問先の机の上にある紙を写したものが届きます。
こちらの台帳に入れるには、人が読んで打ち込むしかありません。
打ち込みが終わるまで、届出書類は作れません。
つまり、仕事の始まりが、人の打ち込み待ちになっています。
六つの工程に分かれます。
一つ目、相談・契約準備。
二つ目、従業員情報管理・手続き準備。
三つ目、給与計算・勤怠管理支援。
四つ目、労務相談・就業規則作成。
五つ目、助成金申請・行政対応。
六つ目、請求・報告・情報更新。
時間を取られるのは、二つ目と四つ目です。
二つ目の従業員情報管理で、打ち込みと届出が積み上がります。
四つ目の労務相談で、法規を探す時間がかかります。
今回は、二つ目を分解します。
従業員の数だけ増える作業だからです。
相談の仕事は、顧問先が増えても同じようには増えません。
手続きの仕事は、従業員の数だけ増えます。
顧問先を増やすと、まずここが手いっぱいになります。
しかも、この工程の四つの作業は、どれも同じ形の繰り返しです。
繰り返しは、人がやるほど疲れて、機械がやるほど正確になります。
入り口が紙のままだからです。
顧問先ごとに、書式も、届く形も違います。
紙で来るところ、写真で来るところ、PDFで来るところ。
こちらでそろえてから打ち込むので、そろえる手間が先にかかります。
一人ぶんは短くても、人数ぶん積み上がります。
そろえる作業を機械に渡せば、この積み上がりは消えます。
前回の届出を開いて、直して使い回しているからです。
氏名を変え、日付を変え、事業所の欄をそろえる。
毎回、同じ手順を人がなぞっています。
台帳に必要な項目がそろっていれば、下書きは出てきます。
それでも作り直すのは、台帳と届出がつながっていないからです。
つないでしまえば、人に残るのは確認だけになります。
一つの変更が、いつも一つでは終わらないからです。
住所が変われば、保険も、給与も、通勤手当も動きます。
誰に何を伝えたかを、人が覚えておく形になっています。
覚えている人が休むと、そこで止まります。
誰に何を伝えたかが紙に残っていないので、覚えている人の記憶が唯一の頼りです。
だから、抜けたかどうかは、あとから確かめる手立てもありません。
合わない一件を見つけるのに、全部を見る羽目になるからです。
提出書類と台帳を、二つ並べて目で追っています。
合っている項目は、見ても何も起きません。
それでも見ないと、合わない項目が分かりません。
見る点は事務所ごとに違うので、確かめ方も人ごとに違います。
同じ書類でも、見る人が変われば見落とす場所が変わります。
紙と画像は、そのままでは台帳に入りません。
入るまでは、届出書類の一枚も作れません。
だから、忙しさは仕事量ではなく、打ち込みの順番で決まります。
六つの工程ごとの一覧は、業種ページに置いてあります。
この記事では「なぜそうなるのか」だけを書きました。
「どの作業をAIに任せられるか」は、下のページに全部並んでいます。
社会保険労務士の六つの工程と、できること一覧
いま月額で払っている道具を、自社のしくみに置き換える
お客様や取引先からお預かりした情報が、どこで外へ広がるのかは、社会保険労務士で、預かった情報が外へ広がる理由で説明しています。
Q1.なぜ、この待ちは社会保険労務士でだけ起きるのですか?
こちらが決められない紙を、待つ仕事だからです。
書類の元は顧問先の机の上にあります。いつ届くかは、こちらでは決められません。
Q2.なぜ顧問先を増やすと、まず手続きで詰まるのですか?
従業員の数だけ、打ち込みと届出が増えるからです。
打ち込みが終わるまで届出は作れないので、そこで止まると、そのあとが全部止まります。
Q3.なぜ、気をつけていても防げないのですか?
早く打ち込んでも、届く時期は変わらないからです。
手を速くしても、待ちの長さは短くなりません。短くなるのは打ち込みの時間だけです。
Q4.なぜ、一人の事務所ほど効くのですか?
打ち込みと相談を、同じ人がやっているからです。
打ち込みに時間を取られると、顧問先を増やす余地がそのまま消えます。
Q5.何から始めればよいですか?
入社書類の台帳化から始めるのが早いです。
打ち込みが軽くなれば、届出も、変更の通知も、そのあとが全部つながります。
社会保険労務士の事務所の限界を決めているのは、相談の量ではありません。
従業員の数だけ増える、手続きの量です。
その入り口は、いまも紙の打ち込みです。
打ち込みと下書きは、手順が毎回同じです。
渡したぶん、顧問先の相談に戻れます。
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社会保険労務士の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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