
監修:大川行成(ブレインコミュニティ合同会社 代表/元・富士通総研 BPRコンサルタント)
業務改善とAIの側から、歯科医院の仕事の形を分析しています。資格が要る手続きそのものの判断や助言をするものではありません。 → この人について
この記事は当社の型に沿って機械が組み、大川行成が八十五本すべてを確認しています。
三回目までは来ていた方が、四回目から来ない。
歯科医院では、これがよく起きます。
治療に不満があったとはかぎりません。
痛みが取れて、次に何をするかが伝わっていないだけのことがあります。
今回は、その伝わらなさがどこから来ているのかを分解します。
治療の全体像を持っているのが、術者だけだからです。
何回で終わるのか。次は何をするのか。なぜ今日はここまでなのか。
どれも、診た人の頭の中では決まっています。
しかし、患者さんに渡るのは口で言った分だけです。
口で言った分は、帰るころには半分になります。
残った半分で、次に来るかどうかが決まります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、医院運営・準備。
二つ目、患者受付・予約。
三つ目、治療準備・情報管理。
四つ目、診療・治療。
五つ目、会計・アフターケア。
六つ目、事務・報告。
手間が生まれるのは、四つ目と五つ目です。
四つ目の診療・治療で、説明の時間が削られます。
五つ目の会計・アフターケアで、次の約束が決まります。
今回は、四つ目を分解します。
処置と説明が、同じ一つの枠から出ているからです。
一人あたりの時間は、あらかじめ決まっています。
その中で、麻酔をして、削って、詰めて、説明します。
処置が長引けば、削られるのは説明のほうです。
説明は削っても、その日の治療は終わります。
終わってしまうので、削ったことに気づきにくいのです。
計画が、口で伝えられているからです。
何回かけて、どこまで治すか。歯科医院では最初に決めます。
しかし、それを患者さんが持ち帰れる形にはしていません。
口で聞いた予定は、帰り道で薄れます。
薄れれば、痛みが取れた時点で「もう終わった」になります。
終わったつもりの方に、次の予約の意味は伝わりません。
中断した人が、一覧では見えないからです。
来なかったことは、予約表の空欄として残るだけです。
空欄は、キャンセルなのか中断なのか区別がつきません。
区別するには、カルテを開いて途中かどうかを見ます。
その作業は、診療の合間には起きません。
起きないので、中断は静かに積み上がります。
処置中は、手も目も口の中にあるからです。
術者が書けるのは、手を離してからです。
手を離すころには、次の患者さんが座っています。
だから記録は、昼休みか診療後にまとめて書きます。
まとめて書くと、細かい判断の理由は落ちます。
落ちた理由は、次に診るときには残っていません。
前に何をどこまで説明したかが、残っていないからです。
説明した内容は、カルテの処置欄には出てきません。
出てこないので、次の回にどこから話すか分かりません。
分からないときは、はじめから話し直します。
話し直す時間は、その日の処置の時間から出ます。
歯科医院の一日は、この繰り返しで埋まります。
四つとも、同じ一人の治療のことです。
それでも、患者さんに渡るのは口で言った分だけです。
口で言った分は帰るころには半分になり、その半分で次に来るかが決まります。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
歯科医院の六つの工程と、できること一覧
いま月額で払っている道具を、自社のしくみに置き換える
お客様や取引先からお預かりした情報が、どこで外へ広がるのかは、歯科医院で、預かった情報が外へ広がる理由で説明しています。
Q1.なぜ、この中断は歯科医院でだけ起きるのですか?
一回では終わらない治療が多いからです。
一度で終わる診療なら、途中という状態がありません。歯科は、通っていただくことが治療の一部です。
Q2.なぜ、痛みが取れると来なくなるのですか?
患者さんにとって、痛みが治療の目印だからです。
目印が消えれば、終わったと感じます。まだ途中であることは、こちらが伝えないかぎり伝わりません。
Q3.なぜ、気をつけていても防げないのですか?
説明の時間が、処置の時間と同じ枠にあるからです。
丁寧に説明しようとすれば、処置が押します。押せば次の方を待たせます。注意ではなく、枠の割り振りの問題です。
Q4.なぜ、規模が小さい医院ほど大きく出るのですか?
説明する人と、処置する人が同じだからです。
分けられる医院なら、処置のあとに時間を取れます。同じ人なら、どちらかを削ることになります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一か月、途中で来なくなった方を数えることからです。
何人が、何回目で止まったかを並べれば、どこで伝わらなくなるかが自院の数字で分かります。
歯科医院で治療が途中で止まるのは、患者さんの意欲の問題ではありません。
治療の全体像を持っているのが、術者だけだからです。
患者さんに渡るのは、口で言った分だけです。
その分は帰るころに半分になり、痛みが取れれば終わったことになります。
枠の長さは変えられませんが、持ち帰れる形は作れます。
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歯科医院の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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