
作りだめしておけば楽になる、とはいきません。
食品加工では、早く作るほど売れる期間が短くなります。
設備や人の問題ではありません。
賞味の期限が、作った日から数えられるからです。
今回は、その時間の減り方がどこから来ているのかを分解します。
いつ作るかが、そのまま売れる期間を決めてしまうからです。
期限は、製造した日から数えます。
早く作れば、店に並ぶまでに日数が減ります。
遅く作れば、間に合わないことがあります。
得意先には、残りの期間についての決まりがあります。
決まりを外れた分は、作ってあっても納められません。
六つの工程に分かれます。
一つ目、商品開発と製造ラインの計画。
二つ目、取引先との商談と販路開拓。
三つ目、原材料と製造の段取り。
四つ目、製造と品質・衛生管理。
五つ目、出荷後の対応と返品処理。
六つ目、請求・支払いと許認可の管理。
手間が生まれるのは、一つ目と四つ目です。
一つ目の商品開発と製造ラインの計画で、何をどう作るかの枠が決まります。
四つ目の製造と品質・衛生管理で、その日に作った分の期限が決まります。
今回は、四つ目を分解します。
出せるかどうかが、四つの日付の関係で決まるからです。
原料にも、それぞれ期限があります。
作った日から、製品の期限が決まります。
得意先には、残りの期間についての決まりがあります。
運ぶ日数も、その間に入ります。
四つが揃ってはじめて、出せるかどうかが決まります。
原料にも期限があり、置くほど使える期間が短くなるからです。
まとめて買えば、単価は下がります。
置いている間に、原料の期限は進みます。
期限の近い原料で作れば、製品の期限も短くなります。
短い製品は、納められる先が限られます。
安く買った分が、納められない分で消えることがあります。
あとで何かあったとき、たどれる必要があるからです。
同じ製品でも、日によって使った原料の入荷が違います。
どの入荷分を使ったかは、その日にしか分かりません。
書き残さなければ、あとからはたどれません。
たどれなければ、確かめる範囲が全部になります。
だから、作った日ごとに書き残しています。
作る日を動かすと、期限も一緒に動くからです。
納品が三日ずれたとします。
作る日も後ろへずらせば、期限は延びます。
ずらせば、その日に予定していた別の製品が入りません。
前倒しで作れば、期限が三日ぶん短くなります。
どちらを選んでも、他の製品の予定が動きます。
やった証しが、製品の側には残らないからです。
洗浄も点検も、終われば元の状態に戻ります。
製品を見ても、清潔に作られたかは分かりません。
分かるのは、そのときに書いた記録からだけです。
記録が無ければ、やっていないのと同じ扱いになります。
だから、製造の回数だけ記録が増えます。
四つとも、同じ一つの製品のことです。
それでも、決めているのが原料・自社・得意先とばらばらです。
ばらばらなので、突き合わせる作業が製造の回数だけ起きます。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
食品加工の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この難しさは食品加工でだけ起きるのですか?
時間が経つこと自体が、価値を下げるからです。
金属や紙なら、置いておいても物は変わりません。食品は、置いた日数だけ売れる期間が減ります。
Q2.なぜ、作りだめで平らにできないのですか?
早く作った分は、店に並ぶときには期限が近いからです。
設備の空いている日に作りためても、納品の条件を満たせなくなります。作る日は、納める日から逆算するしかありません。
Q3.なぜ、少しの注文の変更が大きく響くのですか?
作る日が動くと、期限まで一緒に動くからです。
他の業種なら、作る日をずらしても製品は同じです。食品では、ずらした日数がそのまま売れる期間の増減になります。
Q4.なぜ、記録の量が減らないのですか?
安全にやったことが、製品には残らないからです。
洗浄も温度管理も、終われば跡が残りません。残るのは書いた記録だけなので、回数のぶんだけ書くことになります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一品目、作った日と納めた日の差を並べることからです。
使えていない日数が見えます。その日数が、期限のうち自社で減らしている分です。
食品加工の難しさは、作る速さでは決まりません。
作った日から期限が数えられることで決まります。
早く作れば売れる期間が短くなり、遅く作れば間に合いません。
日付を決めているのは、原料と自社と得意先の三方です。
期限を延ばせないなら、日付の突き合わせ方を変えるしかありません。
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食品加工の六つの工程が、そのまま並んでいます。
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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