
先週まで「八割です」と聞いていたのに、期日に間に合いませんでした。
ソフトウェア開発では、これがよく起きます。
報告が嘘だったわけではありません。
できあがっていく物が、目に見えないからです。
今回は、その見えなさがどこから来ているのかを分解します。
外から見て確かめられる形が、途中には無いからです。
建物なら、何階まで建ったかが見えます。
部品なら、何個できたかを数えられます。
ソフトウェアは、動かしてみるまで分かりません。
動くようになるのは、終わりのほうです。
それまでの進み具合は、作っている人の申告だけになります。
六つの工程に分かれます。
一つ目、要件の整理と開発計画。
二つ目、ご提案とご契約。
三つ目、体制と開発環境の準備。
四つ目、設計・実装とテスト。
五つ目、納品後の保守とご要望対応。
六つ目、請求と工数の記録。
手間が生まれるのは、四つ目と五つ目です。
四つ目の設計・実装とテストで、進み具合が見えないまま時間が過ぎます。
五つ目の納品後の保守とご要望対応で、見えていなかった分が後から出てきます。
今回は、四つ目を分解します。
残りの二割に、何が入っているかが分からないからです。
書いた量では、八割まで来ています。
残っているのは、うまくいかない場合の扱いです。
うまくいかない場合が何通りあるかは、やってみるまで数えられません。
一つ直すと、別の一つが出てきます。
だから、残りが減っているかどうかも分かりません。
原因を探す時間と、直す時間が別だからです。
直すのは、原因が分かれば数分のこともあります。
原因を探すのに、二日かかることもあります。
探し始める時点では、どちらか分かりません。
分からないので、見積りも出せません。
出せない作業がいくつも並ぶと、全体の予定も出せなくなります。
増えた人に、いまの中身を伝える時間が要るからです。
途中から入る人は、何がどうなっているかを知りません。
知っているのは、いま作っている人です。
伝えるには、その人が手を止めます。
止めた分、進みは遅くなります。
伝え終わるころには、期日が近づいています。
つながっている場所が、外からは見えないからです。
画面の項目を一つ足すだけに見えます。
その項目は、他の三か所とつながっています。
つながりは、書いた人にしか分かりません。
三か所とも直せば、また確かめ直しになります。
小さく見える変更ほど、見積りとの差が大きくなります。
使われ方が、作るときには全部そろわないからです。
決めた要件は、そのとき思い付いた使い方です。
実際に使い始めると、別の使い方が出てきます。
その使い方は、作るときには考えていません。
考えていない場合の動きは、決まっていません。
決まっていないので、そのつど相談することになります。
四つとも、同じ一つの案件のことです。
それでも、外から確かめられる形をしているのは三つ目だけです。
だから、進み具合の多くが人の申告のまま残ります。
六つの工程ごとの一覧は、AI業務棚卸のページに置いてあります。
この記事では「そもそも、なぜその手間が生まれるのか」だけを書きました。
「AIを使って何ができるか」は、下のページに全部並んでいます。
ソフトウェア開発の六つの工程と、できること一覧
Q1.なぜ、この見えなさはソフトウェア開発でだけ起きるのですか?
途中の物に、形が無いからです。
建物も部品も、途中の姿を見れば進み具合が分かります。ソフトウェアは、動くまで何もできていないのと同じに見えます。
Q2.なぜ、細かく分けて報告しても外れるのですか?
分けた一つ一つの中に、読めない部分が残るからです。
十に分ければ、九つは読めます。読めない一つが、全体の期日を決めることがあります。
Q3.なぜ、テストを増やすと期間が延びるのですか?
見つかった分だけ、直す作業が増えるからです。
確かめなければ、不具合は無いように見えます。確かめれば出てきます。出た分は、必ず直す時間が要ります。
Q4.なぜ、納めたあとの手間が読めないのですか?
使われ方が、作ったあとに決まるからです。
想定していない使い方は、使われて初めて分かります。分かってから、どう扱うかを決めることになります。
Q5.何から始めればよいですか?
まず一件、見積りの工数と実際の工数を工程ごとに並べることからです。
どの工程でずれているかが分かります。多くは、確かめる工程に集まります。
ソフトウェア開発の遅れは、腕の差だけでは決まりません。
途中の進み具合が見えないことで決まります。
見えないので、遅れは終わりの直前まで表に出ません。
そのころには、取り返す時間が残っていません。
途中に形を持たせられないなら、確かめ方を変えるしかありません。
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ソフトウェア開発の六つの工程が、そのまま並んでいます。
手間がかかっている工程をクリックしてください。
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ブレインコミュニティ合同会社
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代表は製造設計を十四年、業務改善のコンサルティング、そしてAIの実装。
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